独協医科大学は、
科学研究費補助金などの不適切な会計処理があったことについての報告とお詫びを公式サイト上に掲載しています。
(独協医科大学/2008.01.28)(抜粋)
公的研究助成金の不適切な会計処理問題についてのお詫びとご報告
先に、新聞等の報道にありましたとおり、本学において公的研究助成金の不適切な会計処理問題が生じました。社会の皆様をはじめ、在学生並びにご父母、卒業生、本学関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを衷心より深くお詫び申し上げます。
ここに今回の問題の概要とこのような不祥事を再び起こさないために講じました改善措置についてご報告申し上げるとともに、公的研究助成金の財源が国民の貴重な税金であることを肝に銘じ、今回策定しました改善措置に基づき公的研究助成金の適正使用に万全を期すことを宣言いたします。
1.本件の概要について
平成19年4月に会計検査院の実地検査が行われた結果、本学研究者の科学研究費補助金の使用方法に問題がある旨の指摘を受けました。指摘の内容は、複数の研究者と本学取引業者のうちの1社の間で研究者からの発注に対し当該取引業者が実際には納品しないで架空の納品書・請求書を大学あてに発行し、これに基づいて大学が支払った金員が当該業者の銀行口座にいわゆる「預け金」としてプールされ、必要に応じて当該年度から次年度以降に亘って研究用の試薬、消耗品等の購入に当てられたというものです。
この指摘を受けて、本学は直ちに研究費に係る調査委員会を設置し、所管庁である文部科学省に報告し、関係所管庁の指示のもと実態解明に当たりました。
調査の結果、預け金は、文部科学省科学研究費補助金、日本学術振興会科学研究費補助金、私立大学等経常費補助金、科学技術振興機構運営費交付金、日本私立学校振興・共済事業団学術研究振興資金、厚生労働省厚生労働科学研究費補助金について行われていたことが判明し、これに関わった研究者の人数は、4名の退職者を含めて総数32名で、内訳は基礎部門で教授4名、准教授6名、助教3名の計13名、臨床部門で教授5名、准教授5名、講師3名、助教6名の計19 名でした。また、預け金の総額は172,071,423円で内訳は次のとおりですが、32名のうちの1名の研究者について平成10年度からの累計で 109,804,479円の預け金が行われ、総額の64%を占めました。
・文部科学省科学研究費補助金関係(18名) 22,864,122円
・私立大学等経常費補助金関係(7名) 27,088,581円
・日本学術振興会科学研究費補助金関係(13名) 31,763,282円
・科学技術振興機構運営費交付金関係(2名) 5,014,638円
・日本私立学校振興・共済事業団学術研究振興資金関係(2名) 4,024,309円
・厚生労働省厚生労働科学研究費補助金関係(5名) 81,316,491円
今回判明した預け金は、次年度の研究活動に支障が生じないようにする方法として採られたものでありますが、調査委員会では、研究者に対する事情聴取、関係帳票の精査を行った結果、預け金はすべて研究目的に使用されており、私的流用はありませんでした。しかし、預け金は公的研究助成金の使用に当たっての極めて重大なルール違反であるため、就業規則に基づき懲戒委員会を設置して当該研究者に対する処分について審議した結果、最高額の1名を諭旨退職(平成19 年10月10日付け)、退職者等を除く23名を減給1か月(10分の1)の処分としました。なお、このうち大学役職者3名は、それぞれ処分の前に役職を辞任しました。また、今回の公的研究助成金の不適切な会計処理について大学としての組織的関与即ち大学からの指示、誘導はもちろん黙認したこともありませんでしたが、大学として早期に発見し対処できなかったことを深刻に受け止め、学長等管理者の責任を問い、学長、副学長(2名)及び事務局長を減給1か月(10分の1)の処分(学長については2か月分返納を自主的に追加)としました(平成19年11月8日付け)。
なお、今回発生した預け金については、関係所管庁からの返還請求があり次第、加算金等を含め第一義的に当該研究者自身が返還することで取り進めるとともに、不適切な会計処理に関わった研究者は既に平成19年度分として採択されている公的研究助成金の受給をすべて自主的に辞退することといたしました。
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